大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)428 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人柏岡清勝の上告理由第一点について。

論旨は、原判決に法令の解釈を誤つた違法があると主張する。

原審の確定した所によれば、被上告人は、受取人より裏書譲渡を受けて本件手形

の所持人となり、これを訴外株式会社E銀行に隠れたる取立委任裏書をなし、同銀

行は、満期日に呈示したけれども支払を拒絶せられたので、これを被上告人に返還

し、被上告人がぞの所持を回復したものである。

而して、裏書人が被裏書人より手形の返還を受けたときは、さきの裏書を抹消す

るまでもなく、該手形の権利者たることを証明すれば、手形債務者に支払を請求し

得る(昭和二九年(オ)第八六号同三元年二月七日第三小法廷判決、民集一〇巻二

七頁参照)のであるから、前記事実関係よりすれば、被上告人が本件手形上の権利

を行使するためには、必ずしも隠れたる取立委任裏書を抹消することを要しない。

それのみならず、被上告人は何時にても、かゝる裏書を抹消し得ることは、論ずる

をまたない所である。

されば原判決は正当であつて、これに所論の違法はなく、論旨は、採用し得ない。

同第二点について。

所論の事由は、原審において主張判断がない。論旨は、独自の見解に立つて原判

決を非難するものであつて、上告適法の理由とならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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